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  • 2012.09.21 Friday
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また逢える日まで(完結)

ポツーン…っと
静かに佇むその部屋は以前は皆の笑い声で賑わってたはずの場所
いつもなら小さく感じるはずのオークテーブルも今じゃその存在感を主張するかのように。

「皆、行ってしまったのか」

キューン…っと男の傍らで少し悲しげに鳴く小竜をそっと撫で
寂しそうな表情を浮かべて男はそっと椅子に腰掛ける。


瞳を閉じたらすぐ傍にあるあの喧騒、それが今では手の届かない場所に…
如何に武人とはいえ、込み上げるモノを押し留め続けるには限界がある

―何をしている、さぁ我らの戦場に参るぞ

そんな声すら聞こえてくる気がして…
そっと静かにグングニルをそのテーブルにおく
その横顔を見つめる小竜もまたそれに答えるかのように薄く薄く鳴く


一人、また一人と
皆で囲んだテーブルには人がいなくなっていった
それぞれの戦地へと旅立っていったのだから、仕方ない事なのかもしれない
ただ、この地―サンドリア―を守る為の任務を背負った彼のみが、どこかしかの寂しさを感じているだけなのだろう
そしてそれは拭いきれない程の喪失感と似ていた


後何度オークを倒せば
後何度漆黒の夜を越えれば
いつかはまたあいつらと出会えるのだろうか

キューン、と
彼の傍らで丸まっている小竜が寝言をたてる
今はこの温もりを抱き締めて


いつかまたこのオークテーブルが狭くなる日まで。
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彼はホテルマン(一応完結)

『おはようございます、朔夜様』

朝起きると、別世界でした。
とか言えばいいの?
何なのこれ!
ある朝いつものように目覚めたら
あたしのベッドの横には執事服を着たクランが立っていました…



「いや、意味分からないんですけど。どしたの?クラン」

あたしの朝の一発目の台詞がコレとか。なんか泣けてくる。

クラン@執事服の横には困った顔をしたモーグリ1匹
…いや、困った顔をしたいのはあたしだよ。

『お嬢様、今日のお召し物はどちらにいたしましょうか?』

…いや、えっ…。
着替えまで傍にいるの?っていうか何で此処にいるのっ?

「い、いや…」

あたしが言えたのはそれくらい。

満面の笑みでそこに立っているクランにどう突っ込んでいいのか分からないし。
っていうか、なんであたしのシャイル胴を持ってニコニコ笑ってる訳…。

「とりあえず街着に着替えるから…」

そう言ってジッとクランを見つめてみるものの
さすがはクラン。意図を全く分かっていない。
それどころか

『お嬢様、私めの事はどうぞお気になさらず。宜しければセットのお手伝いを…』


ない。絶対ない。
むしろ目の前にいるコレはクランじゃない。
いつもの彼なら絶対真っ赤になって外に飛び出すはず。
なのに目の前のコレはにこにこと微笑んでこっちを眺めている。
どうしてだろう、あの微笑みを見てると沸々と沸き上がってくるものが…。
…ブチン。
あ、駄目。限界。



「き、着替えるんだから…とっとと後ろ向いて出ていきやがれぇええ!!」


******

クランもどきを部屋から追い出して、ふぅっと一息つく。

ねぇ、モーグリ。
何で部屋にクランが入ってきてたのか、とか
何で勝手にあたしの服を握りしめてたのか、とか
物凄く聞きたい事はあるんだけど、それより何より

「あのキャラはなんだったのぉぉお!何アレ意味が分からないっ!」

こういう時に限ってモーグリは役に立たない
いや、いつもさほど役には立ってない気もするけれども。


ガチャッ

そんな音にふと扉を見つめるとそこにいたのは満面の笑顔なクランもどき。

「お嬢様、お支度は整いましたか?」

…は、はい。
整いました、整いましたよ?
だけど、だけどねぇ?
勝手に部屋に入ってくるなよ…

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彼の思い出(完結)

これは彼の思い出話。
小さな彼が彼女に出会うまでの思い出話。



当時、オークとの戦争は終わる事もなく、むしろ戦局は悪化していた。
両親を戦争で亡くした子供は身を寄せあって生きるしかなかった。
尊敬すべき王国サンドリア騎士団は戦争に追われ、子供達の世話までは出来るはずもなく。
街中で配られるわずかな配給では子供達はお腹を満たす事さえ出来なかった。
勿論、街の人や傭兵達はそんな彼らに暴虐を振る舞う事はしなかった。むしろ、必死にサポートはしていたのだろう。
―ただ、その手がたりなかっただけで。


そんなサンドリアにふと立ち寄る少年が一人。



同じ様に戦況の悪化しているバストゥークから何とか戦火を潜り。
両親と手を取り合い走ったその道の途中で両親は地に倒れ…
それでも少年は一人走った。
時に闇に紛れ、時に両親が必死に集めて作ってくれた薬品―プリズムパウダー―を使って。

そうして辿り着いたはずの安全な場所―サンドリア王国
だが、決してその地も安全ではなかった。
否、場内にまでは攻めこんでこない、というだけでも他国よりかは安全だったのかもしれないが。

そして彼はその場で倒れる。
その四肢には大小様々な傷が。
その口は乾ききって潤す程の唾液すら分泌されずに…


『……、………か?……おい、大丈夫かっ!?』

幸か不幸か
倒れたままの彼を拾ったのはサンドリア王国内でも名の知れたミスラ。
次に彼が目覚める場所。
それはあの路地裏にいた小さなミスラが目を覚ましたあの豪華な部屋。
それはあの路地裏にいた小さなミスラが悲壮な決意をした豪華な部屋。

そこで彼が何を思うのか。
そこで彼が何をするのか。

物語をつむぐ事は歌う事より簡単で、とても残酷な事だと今の彼は知るはずもない。

***

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静寂を切り裂く柔らかな声。(完結)

 「あっ…ん・・・。だ、だめぇ・・」

此処はサンドリア王国 兵士宿舎−通称モグハウス−内

「いぃょぉ・・、んっ・・そこぉ・・」

夜の静けさを打ち破らん、と言わんばかりに響き渡るなんとも艶かしい声

「ん・・あっ・・。あぁぁん、いぃ・・・・」

その夜、その声のせいで沢山の傭兵達は眠りにつくことができず

「・・・っ、んっ・・・あぁんっ」

そして翌日、その部屋に残されたものは純白のベットを染める赤い印。
それが何を意味するものなのか、という事を傭兵達はまた考えてしまう。

そうして、過去にも前例のない程にサンドリア王国(傭兵組)は大敗してしまう。
そして全ては闇に葬り去られてしまった。

全ての物事には、事情があり理がある。
この物語にも勿論、語りつくさなければならない事情があるのは
聡明である画面の前の君たちにはもうわかっている事であろう。

だからこそ、そう。
私は此処に事実を記そうと思う。
全てはただ一人の、あのミスラによって起こされた悲劇である。 
                            
                            −著者:朔夜・フリューベル−






「ふぅー、なんか最近獣人どもがなんかせわしいわねぇ」

そんな一言がキッカケだったように思う。
戦火に赴く戦士にはよくある事で、それが死に直面するとなると尚更であろう。
子孫を残す、というごく当たり前の生存本能。

果たして、そこまで火の手が迫っていたのかどうか。
今の私にはなんとも答えにくい所ではある。
少なからず、あの局面を思い出すならば「yes」と答えるべきであろうか。
ただし、今の私達の方が生きるという事、一点を持って話すならもっと重症なのかもしれないが。

ただまぁ、その一言のせいで
当時、団員の一人として一生懸命働いていたヒュームの男は少しだけ顔を引きつらせていた。
彼女−その一言を放った彼女−の言葉は絶対であり、彼女の機嫌次第によっては
自分の身の振り方でさえも考えなければならなくなってしまうからである。

「お疲れでヤンスか?」

そう切り替えしたのが失敗だったのだろうか?
だがしかし、その場には二人しかいなく、そして当然の事ではあるが、シカトなど出来よう訳もない。

「疲れてるも疲れてるよ、なんだいあいつらは。斬っても斬っても何処からか這い出てきやがる」

そう言うと、まるで苦虫を噛み潰したかのような顔をしてパタパタを手を顔の前で扇ぐ彼女。
勿論、ヒュームの男も分かってはいたのだ。
彼女の肩に圧し掛かる重圧がどのようなものであったか、などと言う事は。
奇人変人、と呼ばれる団を取り纏める団長とあるべき彼女−ヴァレリア−は、日に日にやつれていっていたのだから。
(まぁもっとも、奇人変人、と一番呼ばれているのはその団長そのものであったという事実は否定しようもないのだが)
そうして、少しずつやつれていってしまう彼女をどうにか立て直そうと団員は頑張ってはいた。
だが、倒しても倒しても。まるで終わりなぞない、と嘲笑うかのようにオーク軍はその攻撃の手を休める事はしなかった。
そしてその事実は、傭兵・サンドリア王国騎士団を共に苦しめていた。
勿論、スカーレット・フェザー団にも同様に。
幸いな事に、というべきだろうか。不幸な事に、というべきだろうか。
スカーレット・フェザーは、某王子からの寵愛を受けていた為、他の傭兵とは扱いが違っていた。
その事も、ヴァレリアの肩に重く圧し掛かっていたのであろう。「責任」という文字と共に。

そんなヴァレリアに何も言えずにいたヒュームの男は
少しだけでも彼女に微笑んで貰いたい、という純粋な気持ちから、サンドリアティーを少しだけ優雅に入れてそっと手渡した。
そして、そのサンドリアティーをふぅっという湯気と共に飲み干すヴァレリアをみて自身も頬を軽く染めて見せた。

「あぁ、そうだ。クラン。この後少しだけ私に付き合ってもらえないか?」

そんな言葉が飛んでくるとは予想外であったし、その後の事件に発展するなんて
今の彼が知る由もなかったわけだが。




********
ここで更新が終わっています。続きを読みたければワッフルワッフルと(ry
********




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春のお花見(完結)

爽やかな風が髪を撫で。
色とりどりの花は咲き乱れる。

ようやく私たちのヴァナにも春がやってきました。


毎日毎日、獣人との戦いに明け暮れ、終わりがない戦の中で
少しだけ心を安らかにしてくれる、そんな時間。
今日は仲間を集めてのお花見パーティーです。


「ご主人様っ、モーグリちゃんとみなさんにご招待状を発送してきましたクポッ」


良くやったわ、と少しだけ笑いながらモーグリの頭を撫でる朔夜。

「さぁ、準備しなきゃね!」

そう言って、エプロンを纏い炊事場に向かう。
大量の食材、そして大量のクリスタルを握りしめて。





****


「お招きありがとうなのですっ」

北サンドリアの一角にて、朔夜特製のお弁当を広げていると最初にやってきたのは小さなタルタル。
うわぁ、全部美味しそうですぅ、と涎を垂らしながら朔夜の準備の手伝いを始める。


「ふぉふぉ、準備は進んでるかの?朔夜にロビンや」

「待って…待って…少しは荷物持って…」

その直後両手に抱えきれない程のアルコールを持ったクランと、その横をゆったりと歩くヒューレンが。
年寄りに荷物を持たせるつもりか、このうつけもの!などと口からは唾を吐きながら、それでも尚ゆったりと。

「朔の奴が作ったんだろ…大丈夫かよっ」

「まぁまぁ、俺は可愛いエルメ…エルメスはどこだっ!?」

その後を笑いながらハーディン、ヴェルがやってきた。

相変わらず君達は賑やかだねぇ、と手を降りながらやってきたのはモヤ・シ。
どこぞの小さな国の王の癖にちょこちょこ抜け出しては遊びに来る彼。
来てくれるとは思わなかった、と満面の笑みでモヤ王にお酒を勧めて。
いやいや、これはどうも。などというくだらない会話をしながら。

「迷子…連れてきたわ」

「えへー、サンドリア内は苦手ですー」

「ちょ、レディにのるなっ!オンフィー!」

小さい二人組、ヤチル・ルとオンフィー・ルド、サイフォスも静かにその輪の中に加わって。
静かにお茶を飲むヤチル・ルと対照的にちょこちょこと歩き周り、自身最大の可愛いポーズを繰り広げるオンフィー。
オンフィーに乗られていたせいで少し元気のないレディをいたわるサイフォス。


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スランプ←

地味にスランプ中。
話のストーリーは少しずつ終わりへと進んではいるのですが。


…納得のいかない結末ばかりで書き直す事、沢山。
もう少しだけ時間を下さい。




って訳で。
覗いてくれている人に感謝の気持ちを込めて
ちょびっとだけ阿呆なネタうp!


全く本編とは関係ありません
ご理解をっ!



※※※
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或いは破滅への道

最初に地に沈んだのは銀髪のミスラ。
愛すべき白髪の主を守る為、その身を怒り狂う彼らの前に投げ放つ。
隠密の世界に生きた彼女はそのまま静かに地に伏せる、その瞳は何かを見つめたまま。

泣き狂う暇すらなく
白髪のエルヴァーンはその口から血を。
尊敬する母に。信頼する仲間に。最後の言葉すらかける事が出来ないままに。

ただその手の先には
すでに地に伏せた銀髪のミスラ。



猛攻、と言うべきなのだろうか。或いは、恐慌…と。



いつもと同じ夜のはずだった。
昨日と変わらず皆と笑顔を、言葉を交わし自室へ。

見張りすらも見落としたのだろうか。彼の存在を。




終わらない日々を終わらせる為に。

――その争いに利権を求めたつもりはなかった。

ウィンダスとバストゥークと手を取り合って。

――そう、望むべきは皆の望みは一つだと思っていたから。

それでも良かったはずだったのだ。

――だから我らは剣を取り切札すらも切ったというのに。

獣人との戦いを終わらせる為に。
――…その未来を望む前に人が争うというのか…

だが、自国さえ良ければいい

――そう言いたいの…か



「至急ジュノに来られたし。」


その命に従いしぶしぶジュノに足を運んでいたヴァレリアの耳には戦火を潜り抜けた仲間からの声は届く事はなかった。
キミの仲間たちは戦死した、と。理解の出来ぬ報告ばかりがその小さな三角の耳に届く。
まるでこの日を狙っていたかのように。

そう、まるで この日を狙っていたかのように。






ガハハ、と笑い飛ばしていた髭の男は全ての部下を守り通し。
まるで何かを彷彿とさせるかのように仁王立ちのまま事切れていたという。
その身に獣人は使うはずもない聖剣を深々と突き刺されたまま。


寡黙で家族思いだった竜使いの彼はその首をかき斬られていた。
その横には同じく首を斬られて息耐えている小竜レディ。
レディが産まれたその日に死ぬ日は共に、と誓いを交わしたんだ、と。笑いながら話していたのはいつだっただろうか。


その隣に倒れるは赤装束のヒューム。懸命に何かを助けようとでもしたのだろうか、その瞳からは赤い涙が。
まるで何かに怯えるような、何かに悲しむような。
暗い絶望色をした赤く乾いた涙。


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道化師。

あぁ、戦友よ。
我が偉大なる主よ。

俺は貴方達の背中を守れただろうか…?



我が主、ヴァレリアの背後から放たれた呪われし一本のボルト。
咄嗟に身を乗り出し庇うつもりが、俺の腹に深々と突き刺さる。
 刹那の出来事。


直ぐ様、彼らの支援によりボルトの持ち主は地に沈む。
そして…俺自身も。



赤装束を更に自分の血で赤く染め、言葉を放とうとしてもその口からは…ただ赤い液体。


「すぐ回復してやるからなっ」

この声は果たして誰の声だったのか。
少しずつ遠くなる意識を手放してしまいそうで。



「何してるのこの馬鹿っ!キミが…キミがいないとこの勝利の意味が、…意味がないじゃない…」

あぁ…この状況でもそう罵るキミが少し愉快に感じれるよ。
泣かないで…。俺の為に。
キミの主に俺が殺されるから…。


「絶対死ぬな、これは私の命令だ、クラン。私の命に背く事は許さない」

我が主…。
可能な限り、私は貴方の命に従……。





死線の道化師、と呼ばれたヴァレリアを倒す為に作り出された、ただ1本のボルト。
その傷は確実に彼を死へと誘っていく。
ゆっくりと。
赤装束を深紅に染め、彼は瞳を閉じる。



あぁ。
我が主。
貴方に出会えて此処まで共に走ってこれてきっと幸せだった。
だから…
もう泣かないで。





これは過ちのストーリー。
彼らが望む未来を手に入れれなかったおとぎ話。
そして道化師は、その胸元からジョーカーのカードを切る。
全てを無に返し…
そうもう一度彼らの笑顔を取り戻す為に。


そして道化師はひっそりと呪われた道を歩く。
かけがえのない仲間を守る為に。
かけがえのない仲間を裏切りながら…。
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吹雪の中で

さーむいーよ、こーわいーよ…



このお話はとあるヒュームの彼とあたしの恋路を邪魔した女のお話。



「…っっっ!」



あれ?っと。
声を呟いたのは一人のヒューム。吹雪の中、何かしらの声を聞いたような気がしたから。

耳を澄ましてみても
その聞こえたはずの声はもう聞こえなくなっていた。
というよりも吹雪の音にかき消されているのかもしれない。
視界すらもすでに奪われているのだから。
少なくともこの場にとどまっている訳にもいかない。
気のせい、の為に自分が雪だるまになる訳にもいかないから。


それに集合時間まではまだ時間があるとは言え、ズヴァール城まではもう少し距離がある。
もしも何かしらの非常自体で集合時間に間に合わないとしたら…。
自分の想像にゾッと身体を震わせ、急ぎ足で歩みを進める。
しかし、その耳に再度届くはか細い悲鳴。
雪の音にかきけされている小さな悲鳴。
集合時間というタイムリミットまで僅かな時間…。
だが、物音を立てるのは得策ではない。今は姿が見えぬとて、周りには数えきれぬ程のモンスターがいるのだから。

―えぇい、もうどうにでもなれ!


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彼の思想

今日もまた一人
戦火を潜り抜けてきた戦友が倒れた。

オークの容赦ない攻撃の手は止む事はなく
そして私も戦友の死を悼む暇すらない。



「各自ご苦労であった。暫しの休息を取れ。2時間後、再度攻略を開始する。」


そんな言葉が私の耳に届いたのはアレから何日経っていたのだろうか。
我が団長も、疲労が拭いきれないのだろう。
勇敢にもその尻尾はおおしく伸びてはいたが、彼女の顔にはくっきりと疲労の色が滲み出ていた。
―まぁ、その事に気付けるモノなど、この中にはいないのだろうが。

クスリ、と。
気付かぬうちに笑っていた自分に少し驚く。
…まだ笑える余力が残っていた事に。



瓦礫に背を預け、胸元に隠し持つロケットをパチンと開く。
そこに映るは愛すべき家族。そして愛する妻。
無性に此処を抜け出して家族の元に駆け寄りたくなる衝動を必死で抑える。

―きゅうん?
気付けば私を心配してくれているのか相棒レディが私の頬に顔をすり寄せている。
レディも疲れているはずだろうに、健気にもその傷付いた羽を少しだけ羽ばたかせ私を勇気付け。

―大丈夫だ、レディ…。一緒に帰ろうな…。目の前に立ち塞がる糞共を全て薙ぎ倒して…。





「サイフォス、お前は第三部隊を率い東に。ヒュー…」

その言葉が耳に入る。
あぁ我が団長、貴方の手足となりこの駆け抜けてきた道。
決して迷いなく、最後まで駆け抜けてみせようじゃないか。
棘の道、喜んで切り裂いてやろう…尊敬する貴方の為。
そして最後には笑いながら肩を組み交わそう、散っていった戦友を悼みながら。



「さぁ、あいつらに天国への道をつむいでやろうじゃないか」

疲れを決して見せないその笑顔に私は貴方への敬意を払い。

「死ぬ事は許さない。その命、全て私に預けて最後まで駆け抜けろ!  全軍突撃!」


私はいつまでも槍を振るおう。

愛すべき家族と信頼する仲間、そして
唯一無二の相棒、尊敬する我が団長の為に。
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